月別アーカイブ: 2025年4月

第8回給排水設備雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社稲毛設備、更新担当の中西です。

本日の配管雑学講座!
~配管トラブル事例と解決策~

配管工事でよく起こるトラブルを、実際の現場写真とともにご紹介。原因と対策を押さえて、万全の対応力を身につけましょう!


1. 漏水トラブル

事例:キッチン下の給水管からの漏水

  • 症状:シンク下キャビネット内が常に湿っている

  • 原因:継手部の圧着不足によるシール不良

解決策

  1. 原因箇所の特定

    • 内視鏡カメラで継手部を撮影し、水滴の発生箇所を確認

  2. 再施工

    • 古い継手を取り外し、メーカー指定の圧着工具とダイスで再圧着

    • 接着管は接着剤の塗布量と乾燥時間を厳守

  3. 再試験

    • 水圧試験(設計圧力の1.5倍・30分保持)で漏れが完全に止まることを確認


2. 詰まりトラブル

事例:浴室排水の流れが遅い

  • 症状:排水口に髪の毛や石鹸カスが付着し、水が逆流しそう

  • 原因:排水管の勾配不足とトラップ内の堆積物

解決策

  1. 清掃・フラッシング

    • 排水トラップを外して手作業で付着物を除去

    • 高流量ポンプで1/100の勾配を意識しながら循環洗浄

  2. 勾配調整

    • レーザー墨出し器で勾配を再計測

    • 支持金具の位置をずらして1/100〜1/200の適正勾配を確保

  3. 定期メンテナンス計画

    • 半年ごとのフラッシングと年1回の内視鏡検査をスケジュール化


3. 騒音トラブル

事例:夜間に配管のゴーという音が響く

  • 症状:給水停止後も管内で水が流れるような音が聞こえる

  • 原因:配管の支持不足による振動・共鳴

解決策

  1. 振動源の特定

    • 振動検知器で騒音発生箇所を特定

  2. 支持金具の再配置

    • 支持ピッチを50cm以下に見直し、振動を抑制

    • 防振ゴム付き支持金具を採用

  3. 遮音対策

    • 鋳鉄管や耐火二層管への更新を検討(遮音性向上)


4. 腐食トラブル

事例:地下ピット内の鋼管が部分的に腐食

  • 症状:管内に赤錆が発生し、流量が低下

  • 原因:酸性土壌の影響と防食処理の劣化

解決策

  1. 土壌調査

    • pH測定で酸性度を確認

  2. 管種変更

    • ステンレス管または耐食性の高いHTVP管へ更新

  3. 防食処理の強化

    • エポキシ系防錆塗料の再塗布

    • 地下部は耐候性・耐食性の高い被覆材で保護


次回予告

次回は「最新配管素材の動向と導入メリット」をお届けします。新技術を取り入れて、さらに効率的・長寿命な配管工事を実現しましょう。お楽しみに!


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第7回給排水設備雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社稲毛設備、更新担当の中西です。

本日は配管雑学講座!
~配管の選び方と施工時のポイント~

前回は配管の種類と特徴を解説しました。今回は、選定から施工、メンテナンスまで、より詳しくポイントを増やしてご紹介します。


1. 配管選定の3つのポイント

  1. 使用環境を確認

    • 水温:常温水、温水(~60℃)、高温水(60℃以上)で適する素材が異なる

    • 水圧:住宅用(0.1~0.3MPa)か業務用(0.5MPa以上)かをチェック

    • 化学性:薬品や油分の流入がある場合は耐薬品性の高い素材を選定

  2. 耐用年数とメンテナンス性

    • 長期利用施設(病院・食品工場など)

      • ステンレス管(耐用40~50年)

      • 鋳鉄管(耐用50年以上)

    • 一般住宅

      • PEX管(耐用40~50年、錆びずメンテナンス少)

      • VP管(耐用30~40年、コスト優位)

  3. 施工性とコスト

    • 狭小スペース・曲がり配管:柔軟なPEX管で継手を減らし工期短縮

    • 初期費用重視:白ガス管やVP管で材料費を抑制

    • 長期的なトータルコスト:初期費用+メンテナンス費用で判断

※設計段階で設備設計者・建築士と打ち合わせし、図面上で配管ルートを最適化しましょう。


2. 施工時の注意点

  • 支持・固定

    • 振動・熱膨張に備え、50~70cm間隔で支持金具を配置

    • PEX管は熱伸縮が大きいため、伸縮スペースを確保

  • 継手部のシーリング

    • 溶接管:適正温度とスピードで溶接し、冷却時間を確保

    • 圧着管:メーカー指定の圧着工具とダイスを使用

    • 接着管:接着剤塗布量・乾燥時間を厳守し、目視検査を実施

  • 排水管の勾配

    • 1/100〜1/200(1mあたり1~2cm)の勾配を保持

    • 勾配確認用の水平器やレーザー墨出し器で施工中に計測

  • 気密・水圧試験

    • 施工後、空気圧0.1MPaで15分間の気密試験

    • 水圧試験は設計圧力の1.5倍で30分保持し、漏れをチェック


3. 長持ちさせるメンテナンス術

  • 内視鏡検査(年1回)

    • 排水管内部の詰まり、腐食箇所を早期発見

    • カメラ挿入時に配管のたわみや亀裂も確認可能

  • 防錆・防食処理(2~3年ごと)

    • 鋼管・銅管にエポキシ系塗料を塗布し、錆の進行を抑制

    • 屋外露出部は耐候性の高い防食塗料を選定

  • フラッシング(循環洗浄/半年ごと)

    • 高流量ポンプで配管内を洗浄し、スケールや沈殿物を除去

    • 給水管と給湯管を同時に実施すると効率的

  • 紫外線対策

    • 露出配管のPEX管には遮光カバーを設置

    • 屋根裏や外壁面は直射日光を避ける設置ルートを検討


4. ケーススタディ:施工ミスとその対策

事例 原因 対策
水漏れ(継手部) 圧着不足、シール不良 トルクレンチ導入、接着剤の規定量遵守
排水詰まり 勾配不足 墨出し器で再計測し、勾配調整
錆び発生(白ガス管) 長期間メンテ未実施 定期防食処理のスケジュール化
振動による騒音 支持金具の間隔が広すぎた 支持ピッチを50cm以下に見直し

次回予告

配管トラブル事例と解決策
実際の現場写真を交え、漏水・詰まり・騒音トラブルへの迅速な対処法を詳しく解説します。お楽しみに!


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