皆さんこんにちは!
株式会社稲毛設備、更新担当の中西です。
本日は配管雑学講座!
~配管の選び方と施工時のポイント~
前回は配管の種類と特徴を解説しました。今回は、選定から施工、メンテナンスまで、より詳しくポイントを増やしてご紹介します。
1. 配管選定の3つのポイント
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使用環境を確認
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水温:常温水、温水(~60℃)、高温水(60℃以上)で適する素材が異なる
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水圧:住宅用(0.1~0.3MPa)か業務用(0.5MPa以上)かをチェック
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化学性:薬品や油分の流入がある場合は耐薬品性の高い素材を選定
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耐用年数とメンテナンス性
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長期利用施設(病院・食品工場など)
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ステンレス管(耐用40~50年)
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鋳鉄管(耐用50年以上)
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一般住宅
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PEX管(耐用40~50年、錆びずメンテナンス少)
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VP管(耐用30~40年、コスト優位)
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施工性とコスト
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狭小スペース・曲がり配管:柔軟なPEX管で継手を減らし工期短縮
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初期費用重視:白ガス管やVP管で材料費を抑制
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長期的なトータルコスト:初期費用+メンテナンス費用で判断
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※設計段階で設備設計者・建築士と打ち合わせし、図面上で配管ルートを最適化しましょう。
2. 施工時の注意点
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支持・固定
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振動・熱膨張に備え、50~70cm間隔で支持金具を配置
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PEX管は熱伸縮が大きいため、伸縮スペースを確保
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継手部のシーリング
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溶接管:適正温度とスピードで溶接し、冷却時間を確保
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圧着管:メーカー指定の圧着工具とダイスを使用
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接着管:接着剤塗布量・乾燥時間を厳守し、目視検査を実施
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排水管の勾配
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1/100〜1/200(1mあたり1~2cm)の勾配を保持
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勾配確認用の水平器やレーザー墨出し器で施工中に計測
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気密・水圧試験
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施工後、空気圧0.1MPaで15分間の気密試験
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水圧試験は設計圧力の1.5倍で30分保持し、漏れをチェック
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3. 長持ちさせるメンテナンス術
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内視鏡検査(年1回)
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排水管内部の詰まり、腐食箇所を早期発見
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カメラ挿入時に配管のたわみや亀裂も確認可能
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防錆・防食処理(2~3年ごと)
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鋼管・銅管にエポキシ系塗料を塗布し、錆の進行を抑制
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屋外露出部は耐候性の高い防食塗料を選定
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フラッシング(循環洗浄/半年ごと)
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高流量ポンプで配管内を洗浄し、スケールや沈殿物を除去
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給水管と給湯管を同時に実施すると効率的
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紫外線対策
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露出配管のPEX管には遮光カバーを設置
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屋根裏や外壁面は直射日光を避ける設置ルートを検討
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4. ケーススタディ:施工ミスとその対策
事例 | 原因 | 対策 |
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水漏れ(継手部) | 圧着不足、シール不良 | トルクレンチ導入、接着剤の規定量遵守 |
排水詰まり | 勾配不足 | 墨出し器で再計測し、勾配調整 |
錆び発生(白ガス管) | 長期間メンテ未実施 | 定期防食処理のスケジュール化 |
振動による騒音 | 支持金具の間隔が広すぎた | 支持ピッチを50cm以下に見直し |
次回予告
配管トラブル事例と解決策
実際の現場写真を交え、漏水・詰まり・騒音トラブルへの迅速な対処法を詳しく解説します。お楽しみに!
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