日別アーカイブ: 2025年4月15日

第7回給排水設備雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社稲毛設備、更新担当の中西です。

本日は配管雑学講座!
~配管の選び方と施工時のポイント~

前回は配管の種類と特徴を解説しました。今回は、選定から施工、メンテナンスまで、より詳しくポイントを増やしてご紹介します。


1. 配管選定の3つのポイント

  1. 使用環境を確認

    • 水温:常温水、温水(~60℃)、高温水(60℃以上)で適する素材が異なる

    • 水圧:住宅用(0.1~0.3MPa)か業務用(0.5MPa以上)かをチェック

    • 化学性:薬品や油分の流入がある場合は耐薬品性の高い素材を選定

  2. 耐用年数とメンテナンス性

    • 長期利用施設(病院・食品工場など)

      • ステンレス管(耐用40~50年)

      • 鋳鉄管(耐用50年以上)

    • 一般住宅

      • PEX管(耐用40~50年、錆びずメンテナンス少)

      • VP管(耐用30~40年、コスト優位)

  3. 施工性とコスト

    • 狭小スペース・曲がり配管:柔軟なPEX管で継手を減らし工期短縮

    • 初期費用重視:白ガス管やVP管で材料費を抑制

    • 長期的なトータルコスト:初期費用+メンテナンス費用で判断

※設計段階で設備設計者・建築士と打ち合わせし、図面上で配管ルートを最適化しましょう。


2. 施工時の注意点

  • 支持・固定

    • 振動・熱膨張に備え、50~70cm間隔で支持金具を配置

    • PEX管は熱伸縮が大きいため、伸縮スペースを確保

  • 継手部のシーリング

    • 溶接管:適正温度とスピードで溶接し、冷却時間を確保

    • 圧着管:メーカー指定の圧着工具とダイスを使用

    • 接着管:接着剤塗布量・乾燥時間を厳守し、目視検査を実施

  • 排水管の勾配

    • 1/100〜1/200(1mあたり1~2cm)の勾配を保持

    • 勾配確認用の水平器やレーザー墨出し器で施工中に計測

  • 気密・水圧試験

    • 施工後、空気圧0.1MPaで15分間の気密試験

    • 水圧試験は設計圧力の1.5倍で30分保持し、漏れをチェック


3. 長持ちさせるメンテナンス術

  • 内視鏡検査(年1回)

    • 排水管内部の詰まり、腐食箇所を早期発見

    • カメラ挿入時に配管のたわみや亀裂も確認可能

  • 防錆・防食処理(2~3年ごと)

    • 鋼管・銅管にエポキシ系塗料を塗布し、錆の進行を抑制

    • 屋外露出部は耐候性の高い防食塗料を選定

  • フラッシング(循環洗浄/半年ごと)

    • 高流量ポンプで配管内を洗浄し、スケールや沈殿物を除去

    • 給水管と給湯管を同時に実施すると効率的

  • 紫外線対策

    • 露出配管のPEX管には遮光カバーを設置

    • 屋根裏や外壁面は直射日光を避ける設置ルートを検討


4. ケーススタディ:施工ミスとその対策

事例 原因 対策
水漏れ(継手部) 圧着不足、シール不良 トルクレンチ導入、接着剤の規定量遵守
排水詰まり 勾配不足 墨出し器で再計測し、勾配調整
錆び発生(白ガス管) 長期間メンテ未実施 定期防食処理のスケジュール化
振動による騒音 支持金具の間隔が広すぎた 支持ピッチを50cm以下に見直し

次回予告

配管トラブル事例と解決策
実際の現場写真を交え、漏水・詰まり・騒音トラブルへの迅速な対処法を詳しく解説します。お楽しみに!


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