第25回給排水設備雑学講座

第25回給排水設備雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社稲毛設備、更新担当の中西です。

 

1️⃣ なぜ保温・防露が重要か
給排水設備の配管や機器は、熱ロス(エネルギー損失)、結露(水滴)、凍結、やけど、腐食など多くのリスクに晒されています。保温・保冷・防露は、これらのリスクを目に見えない“被膜”でコントロールする技術。適切な材料選定と厚み、そして“連続性のある施工”によって、省エネ・衛生・美観・耐久性を同時に実現できます。

 

2️⃣ 熱と湿気の基礎—“露点”を越えさせない
• 温度差があると、冷たい表面で空気中の水蒸気が凝縮し結露します。決め手は露点温度。表面温度が露点以上なら結露は起きません。
• 防露の本質は、①熱抵抗(断熱)で表面を温める/冷やさない、②気密(ベーパーシール)で湿気を断つ、の二本柱。
• 冷水管・冷媒管:外側に防湿層(気密)が必須。断熱材の継ぎ目・端部・吊金具部でピンホールがあるとピンポイント結露→滴下→天井シミの定番。
• 給湯・温水:主目的は熱ロス低減と火傷防止。さらに凝縮による腐食やカビを抑える副次効果も。

 

3️⃣ 主な断熱材の特徴と使いどころ
• グラスウール/ロックウール:繊維系。耐熱性が高くコスパ◎。防湿被覆(アルミクラッドやフィルム)とセットで。屋内機械室・温水系に。
• 発泡ゴム(NBR/EPDM系):独立気泡で防露に強い。曲げ追従◎で美観も良い。冷水・冷媒に最適。
• ポリエチレンフォーム:軽量・安価。屋内露出での給水・給湯の簡易断熱に。紫外線に弱いので屋外は不可。
• 硬質ウレタンフォーム:断熱性能(λ)が低く保温力が高い。耐火・紫外線・発泡収縮など仕様確認が必須。屋外はラッキング(ガルバ/アルミ)で保護。
• 遮音一体材:排水立管の遮音+断熱を同時に行える複合材も有効(PS内の騒音対策と相性良し)。

 

4️⃣ 厚み選定の考え方—“過不足のない”最適点を探る
• 目安(屋内):
o 冷水・冷媒:発泡ゴムt=13〜25mm(室温・湿度・管径で増減)。
o 給湯・温水:グラス/ロック t=20〜40mm(設定温度60〜80℃程度)。
o 屋外露出:上記に+10〜20mm、加えてラッキングや耐候被覆。
• 判断軸:室温・相対湿度・配管表面温度・風速、そして露点温度。高湿度(厨房・浴室周り)では防湿重視で厚みUP。
• 簡易試算のコツ:結露は“隙間から”起きる。理論値より端部・継ぎ目の処理に工数を割いた方がトラブル率は下がります。

 

5️⃣ 施工のツボ—“連続気密”と“端部処理”が9割
• 面取り→密着→巻き:管外径に対して継ぎ目を直線に、突きつけは圧着、巻き方向は上から下へ(滴水方向を意識)。
• テーピング:ベーパーバリア(アルミ/ビニル)は重ね幅≥10mm、引張り過ぎて隙間が開かないよう均一テンション。
• バルブ・フランジ部:型紙化して“箱型”に。保温カバー(ジャケット)を使うとメンテ性◎。未保温の金属露出は結露の温床。
• 吊金具・支持金物:断熱ブレーク(ハンガーに断熱座金・スペーサ)で熱橋を切る。帯状結露の元凶を断つ。
• 貫通部:壁・スラブで保温の連続性を確保。スリーブ内や周辺に防湿パテ、保温端部はシールで密閉。

 

6️⃣ 屋外露出と紫外線・雨対策
• ラッキング:アルミ/ステン/ガルバで機械的保護+耐候。合わせ目は下向き、リベット間隔を一定に、美観も性能のうち✨。
• 紫外線:発泡ゴムは被覆必須。塗装仕上げの際は指定プライマーと弾性塗膜でクラックを防止。
• 雨仕舞い:上部に水切り、縦目地はシーリング。端部からの浸水で“内側結露”が進むので“雨の入り道”を作らない。

 

7️⃣ 凍結・やけど対策
• 凍結:外気に触れる配管は厚めの断熱+保温ヒーター。温度センサー連動で省エネ運用。ドレンは通水勾配と終端開放を確認。
• やけど:高温配管は触れられない高さに配置するか、二重被覆で安全を担保。点検口内の金属露出に注意。

 

8️⃣ よくある不具合と診断
• 天井シミ:冷水管の保温継ぎ目ピンホール。→ 煙テストや赤外線でピンポイント特定→局所再施工。
• バルブ周りの滴下:ジャケット未施工・開閉頻度高。→ 着脱式カバー導入、手触り温度で点検頻度を決定。
• 屋外配管の劣化:ラッキングの腐食・浮き。→ 雨仕舞いの作り直しと電食対策(異種金属の絶縁)。

 

9️⃣ ケーススタディ
A:オフィス天井の“梅雨時だけ”水滴
– 条件:冷水13℃、室温27℃、RH70%。発泡ゴムt13で継ぎ目に隙間。
– 解:t19へ増厚+ベーパーシールのやり直し。吊バンド部は断熱座金を追加。→ 梅雨〜夏の結露がゼロに‍♀️。
B:屋外給湯配管の熱ロス
– 条件:配管延長20m、無保温。
– 解:グラスウールt40+アルミラッキング、フランジは箱型カバー。→ 湯待ち時間短縮&ガス代削減。
C:食品工場の低温室ドレン
– 条件:低温室外への貫通部で結露。
– 解:貫通部で連続保温+防湿パテ、外部側でラッキング。→ 水滴侵入が止まり、床の凍結も解消❄️。

 

チェックリスト ✅
☐ 断熱材の種類・厚み・防湿層を図面に明記
☐ 継ぎ目の連続気密(重ね≥10mm)と端部シール
☐ バルブ・フランジの着脱ジャケット
☐ 吊金具の断熱ブレークで熱橋対策
☐ 屋外はラッキング+雨仕舞い、紫外線対策
☐ 凍結・火傷の季節運用(ヒーター・温度管理)

 

1️⃣1️⃣ まとめ
保温・防露は“貼ったら終わり”ではありません。露点管理×連続気密×納まり美観で、はじめて効果と耐久が生まれます。材料選定と施工の“最後の10cm”にこだわり、結露ゼロ・ロス最小の強い設備をつくりましょう!❄️

 

 

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